SHINJUKU SPOKEN WORDS SLAM 
グランドチャンピオントーナメント at Marz

2005/07/15 新宿 Marz
http://www.marz.jp/ssws/



  なぜ、レビューを書くのに緊張しすぎるのだ?
変に力が入りすぎる自分をなだめつつ、ついに行われました:
新宿スポークンワーズスラム(SSWS)、グランドチャンピオントーナメント!

「何〜?18時開始?見に行ける!」と喜び、最近出かけると疲れるため、出演者でもないのに体調整えて見に行きましたよー。
SUIKAもスペシャル審査員のねじめ正一さんも素晴らしかった!
ただ、あまりにトーナメントの始まる時間が遅いので(21時くらい?)だったので、半分くらい既に疲れながら、
帰れるのか?一回戦しか見れないのか?とちょっと半泣き(ウソ)でした。
これだから世間知らずお子ちゃまは、アートのイベントを心置きなく楽しめることも少ないんですよね。。。(悩)

と、本題に参りましょう。
いやぁ〜〜〜、ヨカッタ!感動しました!まずは優勝、ミキさん(馬野幹さん)おめでとうございます。

今回、久しぶりにSSWSを見に来たので、私はラップの方が特に勉強不足で、印象が薄かったんですね。
回数を重ねて理解していくという感じでした。申しわけないです。ただ、以前は素人の私が、予選でも一発目から
ガンガンときめいたラッパーさんとかいたんで、今回は自分好みのラッパーさんがいなかったのかな。。。

だけど、準優勝のばさら=プロさん、これまたオメデトウゴザイマス。なんか決勝あたりでやっと理解が追いついて、
独特のリズム、即興がスゴイと思いました。
でもどちらかというと、なんか若さとか、この人の持つ素直さとかそういうのが美しく感じました。

  ぶよんさん&ぶろんさん
ヒューマンビートボックス?とかそういう技術の面で感心しました。音源のある方より私は好きかな。
脱力感がおもしろかったですが、スゴイ二人らしいですね。

さて、つづいて詩人さんレビューです。

  服部剛with NAPPOMAMA
 さん

 何度もリーディングを聞いている人ゆえ、「らしさ」が出てて良かったんじゃないかな?と思います。
間の取り方やトーンダウンするところが上手で、エコーに溶けるような声が繊細な世界を作っていました。
ただ、正統派すぎて今回の審査員さんたちの好みではなかったのかもしれませんね。
今後、他にないそのキャラクターを、もっと際立たせて欲しいと思いました。
ちなみに、コラボのNAPPOMAMAさんは、Tajaというユニットで活躍されてるミュージシャンです。http://taja.kir.jp/ 歌もステキですよ。

  里宗巧麻さん

 「息をのむ」ってこういうことなんだな、って思いました。タイミングとか絶妙で、細部までキチンと作られた世界を
ここまできれいに再現できるってスバラシイ!緊張と緩和を演者と同じように味わった気分。
終わった時「カンペキ」という言葉が出ました。アートなんです、彼は!!
なので、次には全然違うものが飛び出すと予想してただけに、一回戦敗退は残念でした。。。
もっと見たい!何から仕入れているのか知りたくなりました。
私のメモ最後に「タイムボカン」とあります。なんかそんな感じがしたんでしょうね(笑)

  THE POP(近藤洋一さん)

 私個人は、即興よりも準決勝の淡々と病院の様子を語る方が好きでした。なんかね、しみてきたんですよ。
最初に書いてる姿を見せるのもよかった。「トイレの流す音が爆音」だとか、「狂うことができない客観性」とか、
恐怖とは違う意味で泣きたくなる。体験したことない世界なのに伝わりました。伝わりすぎました。

  鈴木陽一レモンさん

 お名前だけ知ってましたけど、今回まさに「見いーつけた!」という人でした。ずるいですよね、こういうタイプって。
だって男の人なら、過激だったり、下世話なこと言うくらいがインパクトあって戦いやすいラップとかスポークンワーズの世界で
「絵本の中から飛び出す」って、本当にやってくれたなー!という感じです。
最後の「先攻白、鈴木陽一レモン、判定は白白白白・・・9対0」という禁じ手のようなことで爆笑してもらえるのも、
なんか小動物のような「けなげさ」所以でしょう。
里宗さんとは反対に同じ路線で次も見たい人ですね。

  kaccaちゃん(楠木菊花さん)

 ミキさんに対して審査員の方から「同じ男として嫉妬する」という言葉が飛び出しましたが、私は彼女が本当にうらやましいですよね。
初期を知っていて、私がやりたかったことをどんどん実戦して、みるみるうちに力をつけて、独自のスタイルを作り上げた人。
強くなられたなぁ、と思いました。堂々と演じきったのが見事でした。高くて細めの声もかなり太く出せるようになって上手に使い分けていました。
「地球を手玉に取ってる」というのが面白いですね。ダークで妖艶な世界が似合っていましたよ。

  ミキさん(馬野幹さん)

 ミキさんは、いつものミキさんだった。でもだからこそ、それを出し切って優勝というのはスゴカッタし、決勝は特に会場を巻き込んでいました。
イントネーション、リズム、紙を捨てて加速していくのが気持ちよかったです。
以前、「朗魔」というイベントのレポートでミキさんについて「矛盾の美学」と書きました。http://www.geocities.jp/konoha788/rouma.html
今回も出ましたね。「男は人一人殺す力を持て!そして一生殺すな!」(忠実に書けてなかったらスミマセン)グッと来ました!
ミキさんのテーマは「原始への回帰」なんですよね。「文明への警告」。こう書いちゃうと、めちゃありきたりな言葉になっちゃうけど、
でも「矛盾の美学」で、ちゃんと現実社会との共存を肯定している。
それを理屈っぽくグダグダ言わないで、一気に言うから突き刺されちゃうんですよね。
今回改めて、パフォーマーとしてのミキさんの力を感じました。それは私だけでなく、あちらこちらから、そのような言葉が飛び交ってました。
終わった後、拍手がなかなか鳴り止まなかったのも印象的でした。 本当におめでとうございます。

優勝賞金はなんと20万円!
全て9月4日にウエノ・ポエトリカン・ジャム3http://www.upj.jp/index.htmlの運営にあてられるそうです。こちらも楽しみですね!

ほんとにほんと、誰が勝ってもおかしくないほどのメンバーが揃い、どっと疲れつつも「最後まで見てヨカッタ〜」と思いました。

出演者の皆さん、本当にお疲れ様。そしてありがとうございます。
そして私はリーディングに自信がなくなるのだった(笑)
まぁ、ぼちぼち自分のできることを、無理のない程度にやっていきます〜。

以上 木葉 揺でした!


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