第30回 過渡期ナイト

2004/10/17 早稲田大学 演劇博物館 及び 博物館前中庭
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10月17日、過渡期ナイト、ワークショップがありました。この日はナビゲーター、死紺亭柳竹の誕生日。テーマが「詩と演劇」っていうのがいいですね。おめでとう!
 最初に演劇博物館を見学。坪内逍遥が私財を投げ売って建てたそうな。さすが重要文化財!美しい建築に見とれてしまった。。。どう間違ったのか学芸員の資格を持っている私にとって、展示のされ方まで興味津々でした。
 その後、博物館前の中庭でお勉強。詩って、もともと演劇と区別が難しかったんだなぁ。。。
 今回は登場人物がとてもおもしろかったです。坪内逍遥はもちろん、島村抱月、松井須磨子、そして沢田正二郎。。。濃い〜キャラなんです。(個人的には二葉亭四迷のぶっとび具合が気に入ったけど)

 そこで、新しいものを考え出して、時代を動かした人って「分裂してる人」ではないかという話になりました。「分裂してる」というのは、極端な二面性を持つ人と解釈しました。そういう意味では、私はよく「分裂してる人」について考えてたなぁ、と思ったもんです。
 極端な二面性って、「異質なものに対する理解」から来ると思うのです。つまり、もともと育ってきたホームグラウンドと違う価値観を尊重し、体ごと理解しようとすることによって生まれる。そういうところから両方の性質をミックスした新しいものを生み出すから、広い層を巻き込める。
 沢田正二郎の「大衆演劇」はその典型でした。早稲田の英文科卒がドサ廻りを発明したんだもの。それでドストエフスキーなんてやっちゃうと、インテリ層も認めるわけです。
 でもそういう人って、死紺亭さんいわく「長生きでない」。沢田正二郎も38歳でお亡くなりに。それは「分裂してるから」だそうです。なるほど。一人の人間の中に、矛盾した両極の考えを抱えてる可能性が高いから苦悩も多いのかなぁ。極端な二面性を持つ人を思い浮かべる・・・医学部出て漫画家になった手塚治虫、とか。
 一方で「演劇」という言葉を作った坪内逍遥はなぜ長生きなのだろう?という話もおもしろかったです。彼も極端。。。それには色んな意見が出ておもしろかったです。
 そういうわけで「死紺亭さん、長生きしてください」なんて言葉も出ました(笑)だいじょうぶ、ドイツ文学で申し訳ないけど、ゲーテもトーマス・マンも「分裂してる」けど90代まで生きてるから。


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