OVERSEA

欧州風船


ドイツでメルヘンを詰めて
フランスで華やかさを詰めて
イギリスで伝統を詰めて
イタリアでファッションを詰めて
スペインで情熱を詰めて
ポルトガルで素朴さを詰めて
オランダで活気を詰めて
ベルギーで可憐さを詰めて
オーストリアで音楽を詰めて・・・

束ねて飛ばすよ、欧州風船
どこまでも飛んでゆけ
未来にむけて 夢をのせて

東へ向かう風が来た
乗り遅れるな
東には新しい仲間が待ってる
ほおら、今までにない色がいっぱいあるでしょう?
それらも ひとつひとつ風船にしよう

北から、南から、はぐれ風船
みんな仲間だよ

全部まとめて束にしよう
でも、それぞれが美しく輝いてる
かけがえのない命たち

心、踊るよ 欧州風船
ゆっくりと自由に飛んでゆけ
ずっと見守っているからね・・・


短歌「リスボン」


リスボンや 丘が見下ろす 大通り 
導く先は 栄光の海

嗚呼、ベルリン!


ベルリン、その広さ
両手を広げて歩道を行けば指先に森が広がる
車たちが私を連れ去っては
クラシックな柱につい揺さぶられてしまう

音に聞いた金の女神
放射状に車を集めて何を語る
午後の光の中、勝利の意味は秘めたまま・・・

ブランデンブルクトール
くぐりぬけて思わず大地の一部となる
西へ東へ東へ西へ
「フロイデ!」と歌ったあの日が瞼をかすめる

森鴎外が導いた「ウンテル デン リンデン」
そして、ようやく博物館島

ベルリン、緑の海に高層建築
今もお前の疾走に誰かのため息が聴こえる

それでもいい、それでもいい
きっとこれからもベルリンなんだから・・・



カムサハムニダ


夏のソウルは暑かった

旅行気分で色々見学したけど
都会じゃ、文字が読めないだけで
外国に来た気がしないね
なんて言いつつ笑ってた

制服着てるから、汗がじっとり
お寺の縁側こしかけた

中から一人のおじいさん
黄色と青と赤の
渦巻き模様の団扇を3本
私たちに手渡した

白い髭のおじいさん
私一人時が止まった
『私たちを許してくれるの?』
『ほんとは日本語、話せるのでしょう?』
後姿見つめ、心の中でつぶやいた

そっと扇いだ団扇から
優しい風がそよそよそよ・・・

集合時間が近づいて
縁側に団扇を置いた
唯一覚えている言葉をそえて

「カムサハムニダ・・・」



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